友人がいるだけで生活は豊かになる

今度友人とプールに遊びに行くことになった。プールなんて何年ぶりだろうか。久しぶりなので今から楽しみだ。

いまでこそ自分には友人がいるが、友人のいない生活を随分送ってきた。

 

ひきこもってもう何年になるだろうか。

最初にひきこもったのは中学1年の頃だった。

中学に入ってすぐに学校に馴染めなかったので不登校になった。それからというもの、ほぼひきこもりの生活を送っている。中学はほとんど登校せずに卒業。現役で入った定時制高校は2年に中退。仕事もバイトくらいしかしていなかったせいでろくに収入もなく貯金もない。友達と呼べるような人もいず、ただなんのために生きているのかわからないゾンビのような生き方をしていた。

高校生になってからは外に出られるようになったので、呼び名としては社会的ひきこもりだろうか。あるいは、診断を受けたわけではないが社会不安障害だろうか。

ひきこもりをしていると人との接点が生まれるわけもないので、人と疎遠になっていく。当然友達も出来ない。自分はいまだにひきこもりとして生活できているが、幸いにも20代になってからできた友人がいるので、10代の頃のひきこもりとは状況がだいぶ違う。自分にとって友人がいるというだけで随分救われている気がする。

友人がいれば遊びにも行けるし、連絡取り合って近況報告もできる。たったそれだけのことでも、普段の生活は潤う。友人がいなければ、引きこもり体質の自分はそもそも外に出ることも少ないだろう。友人が誘ってくれたり、こちらから誘ったりするから外に出る理由が生まれる。そうして遊びに行ったりご飯を食べに行ったりで外に出る。それだけでも生活が楽しい。

 

自分はこれからもひきこもるだろう。しかし、ときには外にも出るだろう。一人で、あるいは他の誰かと一緒に。そうした生活を共有できる友人という存在は、それだけで人生を豊かにしてくれる。